分水嶺2019 Cコース DNF

DID NOT FINISH!!!

去年の分水嶺Bコース完走記のブログを完成させないまま今年のことを書こうとしています。オツベルです。

突然ですが、くやしいです!!

何がって、リタイアしたこと。英断だったと思う。多分自分の経験と体力と装備を考えると間違ってなかった。でも、やっぱり、くやしい気持ちがぜんんぜん拭えない。なんじゃこりゃ、忘れらんねぇぞ分水嶺。

最近書くことから遠のいてましたがこう、少しでも消化させるために書きたくなるものなのですね。ちなみに今回はうんこの話は一切出てこず、くすりとも笑うこともうるっと涙ぐむことも一切ないクソつまらないただの忘備録です。

分水嶺トレイルは、いつも出ているようなトレイルランニングの大会とは少し違い東京の奥多摩(もしくは青梅)から山梨の野辺山まで歩いていく縦走大会で、エイドはなく(山小屋は使用可)装備や食料や水をすべて自ら担いで自ら地図を読んで進んでいきます。

鴨沢スタートのAコース

青梅スタートのBコース

そして今回はじめて鳩ノ巣スタートのCコースというのがトライアルコースとして新設され、私たちはCコースにエントリー。

この3つで違うところは雲取山までのコースと、富士見平からの地図読みのコースだけで、雲取山から富士見平までは同じ道を進みます。Cコースが何故トライアルなのかは、恐らく富士見平を越えた後、小川山からの地図読み区間が、道に迷いやすく厳しいコースだからだと予想しています。チーム全員での試走も必須条件でした。

瑞牆から信州峠まで試走
小川山から先の鬼の地図読み区間

また、全てのコースに出走するのには過去の山行歴を記載する書類審査があります。走力ではなく山力を問われているので、トレイルランニングのレースは対象外です。Cコースに関してはトライアルなこともあり、過去の分水嶺出走経験者かつ今回はチームのみのエントリーでした。私のチームはキャプテンの河野さん、同僚の山岡さん、ハブツさんとの4人。私以外の3人は3年連続同じチームで分水嶺に出ている常設メンバーです。

去年分水嶺Bコースを完走し、その厳しさを身をもって経験しているので、いつもよりもぜんぜん頑張って準備しました。ロードを走ることが苦手で嫌いなのでいつまでたっても月間走行距離がリアルに100km程度なのですが、リーダーから課された週50kmのノルマを目標に走りこみ、1人で鳩ノ巣から雲取までの試走にも行き、レースの1週間前から禁酒もしました。(願掛け)

ソロで徳ちゃん新道のピストンもしました

多分こんなに頑張って準備したレースはHURT以来なかったと思います。

装備も見直しました。分水嶺でお気に入りのギアを使うとかもうそんなのどうでもいいです。重視するのは機能のみ。ザックを新調し、日よけのぴろぴろがついた帽子も準備しました。ただ去年暑かったので暑さ対策ばかり考え、雨対策が疎かでした。今思えばレインもシューズもアウトドライにすればよかったし、パンツも3Lのものにすればよかったし、ポンチョとゲイターがあればよりいろんな装備を濡らさずに済んだかもしれません。

ザックはウルトラスパイア のEpicにしました

カロリー計算もちゃんとしました。去年は大好きなご飯をたくさんもって行ったのですが、重いので却下。ジェルとソイジョイと柿ピーをメインに7800カロリーを詰め込みました。今思うと山小屋を通過する時間が夜中なので小屋で補給できないことを加味すると完走するにはこれでも足りなかったと思います。とくにジェルをもっともっていけばよかった。

私はジェルを摂取するのが今まではすごく苦手でずっと避けてて、おにぎりやメダリストに逃げてたのですが、ハンドボトルランナーたちがジェルをオレンジジュースなどで溶かしてボトルに入れて飲んでるというのを知りました。試しに別のレースでソフトフラスクに入れてオレンジジュースで溶かしてもって行ったらめちゃくちゃ楽に摂取できた。で、その時気付いたんです。

あ、私、ジェルの味が嫌いなんじゃなくて、1時間に1回、ジェルを袋をむいて食べてベトベトの袋をポケットに入れるという行為が精神的にストレスだっただけなんだ、と。

ジェル余裕。むしろ好き。

長いレースの時はソフトフラスクじゃなくてハンドボトルの方がジェルを入れる時とかにも便利だしたくさん入るのでいいなーと今は思っています。

そんな感じで準備を進め、最後に前髪を切り、マツエクをつけました。かんぺきです。なんの準備かってゴール写真への準備ですよ。

え、だって約60時間動き続け、数時間しか寝てない状態でのゴールの瞬間て自分史上最強にブスじゃね?むりじゃね?すっぴんで眉毛も消え疲労でむくみまくった顔に少しでも彩りを加えるため、のばしてた前髪を切り眉毛を隠し、マツエクで少しでも目が大きく見えるように準備しました。自意識過剰かよ。

金曜日は16時半に退社し、早めに帰ってたくさん寝ます。あとはもう歩くだけ、そんな時にキャプテンから体調不良でDNSのメールが。。。

優しくて厳しくて経験豊富でみんなの精神的支柱だったキャプテン

1番知識も経験も抱負で体力もあるキャプテンに完全に精神的に依存していた私たちは超焦りました。残されたのは、育メンすぎて最近山に行けてないハブツさんと、クライミングバカすぎて彼女ができる気配のないやまぴーと、自意識過剰な金髪の妙齢女子の3人です。

キャプテンの存在の偉大さを痛感しながら猛者しかいないCコースのスタートラインに立ちました。

スタート前の装備チェック

鳩ノ巣駅から雲取山までは、コースタイムで15時間くらい。関門時間は21時半なので11時間半後。キャプテンの作ったコース管理表では8時間半で雲取山になってますが、たぶん無理です。

私たち以外の3チームはすぐに影も形も見えなくなり、1チームだけ近くを歩いているのが見えました。

やまぴーは最初の2時間だけ、異様にペースが早く、すぐに姿が見えなくなります。ハブツさんは優しいので1番遅い私の後ろを歩いてくれて、やまぴーを待つようにたしなめてくれます。

寒いか雨かの想定だったので予想以上の暑さにしょっぱなやられました

私は思っていたよりも熱くて序盤調子が悪く、心拍があがり内臓が熱を持って身体がオーバーヒートしているのがわかりました。水を思っていた以上に消費してしましいましたが、尾根に出てからは涼しくなり心拍も落ち着き調子が戻ります。

涼しくなって調子戻ってよかった

やまぴーのペースがみるみる落ちたので、私に合わせてくれる優しさかと思ったら、単純に疲れただけでした。あの最初の2時間なんだったんだよ。

蕎麦粒山を超えてからは大きな登りもなく、会社の悪口という1番楽しいコンテンツを楽しみながら順調に進みます。道は単調だけど歩きやすい。

途中雨がぱらつきましたが、降ったり止んだりを繰り返しており意外と涼しくて歩きやすいかも、なんて思ってました。

長沢山を越えたあたりからやまぴーのペースがさらに落ち、この時点でこのチームを仕切れるのはハブツさん一択だな、と悟ります。

行動食に大量のボーロを持参した山岡さん。鳥かよ。

雲取山まであと2キロの地点で私の下腹部がガスがたまってパンパンに張り痛くなったので1番後ろを歩かせてもらい、ONARA、という古典的な手段をとってガスを抜く。いちよう女の子なので、なるべく音の出ないように心がけました。

雲取山荘には19時半、スタートから9時間半で到着。Cコースでは5チーム中3チーム目ですが、Aコースの人はとっくに通過しており、Bコースの人はもうタイムアウトの時間。分水嶺トレイル全体でも最後尾です。

休憩は30分と決め、カップヌードルCCレモンを注入。山荘前では一般の山荘宿泊登山客のグループが楽しそうに焼肉してます。単純に羨ましい。楽しそう。私も砂肝食べたい。

出発しまーす!とチェックポイントのボランティアの方々に声をかけると、焼肉グループの人たちが驚き「こんな時間からどこ行くんですか!?」と、お約束のリアクションをしてくれる。「野辺山です!(ドヤァ)」と答えるやまぴー。「え!?野辺山まで!?今から!?」と、これまたお約束のリアクションをしてくれる焼肉さん。

「俺、ああいう反応してもらえるとすごい嬉しくて頑張れるんだよね」

私は居心地悪く感じるタイプなのですが、やまぴーのやる気の足しになったようです。ありがとう、焼肉さん。

雲取山の山頂まではハブツさんがリードしてくれます。雨がけっこう降ってきたのでレインジャケットを着込み、ヘッドライトを装着してここから3時間半くらい歩いた先にある将監小屋を目指します。

まだまだ元気の雲取山

雲取山の山頂を越え下った後は、延々と笹の中を歩きます。途中から雨が本気出してくるわけですが笹の何が嫌って、笹についた雨が通過するときに足をつたって靴を濡らすわけです。速攻靴が濡れて足がぐちゃぐちゃになりどんどんやる気を削いできます。

将監までの道のりがまた悪路だわ、滑るわ、景色変わらないわ。夜だしタイムも落ちる。1回目の夜越えで、眠気も襲ってくるし、疲労もたまってきます。

そんな中、前にヘッドライトが沢山あり明るい場所が見えてきました。砂漠のオアシス感がありなんなら明るくてパーティー感すら漂っており、ずっと暗闇を3人で歩いてきた私たちは少しだけテンションが上がりなんだなんだ!?となりました

が、近づいてみるとそこにいたのは滑落してビバークしているチームの人と、スイーパーと、レーススタッフでした。

その道は晴れてても歩きづらく、コースタイムを巻いて歩くのも難しい場所で、雨でどんどん道が悪くなっていく中で「滑ったらこうなる可能性大」というのを見せられてただただテンションが下がりました。

また、ヘッドライトのバッテリーが2時間で切れたのもテンションが最強に下がりました。レッドレンザー明るくていいけど電池のもちが悪い。それは今まで使ってわかっていたけど、将監小屋までの4時間程度は絶対平気と思っていたのでまさかと思いました。もちろんバッテリーの充電器も予備電池も予備のヘッドライトも持ってましたが、雨の中何度も電池を交換しなきゃいけないかも、ていうか2晩電池もつのだろうか?という不安が心を占拠し始めました。さらに将監小屋につく手前でライトが明らかに光量が減り、電池でも2時間程度しかもたないのか、、、無理かも、、、と思い始めます。

さらに雨は強くなり、足元が悪くなり、疲労で足が疲れてきてもうほとんど踏ん張れなくなってきたところでやっと将監小屋に到着しました。この時夜中の12時半くらい。次のチェックポイント雁坂小屋の関門時間は朝8時。コースタイムで6時間くらい。普通に歩けば4時間くらいでつけるはずなので、まだ時間には余裕があります。

とりあえず雨のしのげる場所で補給し、温かいスープを飲んで、座ったまま少し寝ました。雨の辛さは濡れるストレスはもちろんですが、気軽に横になれないのも辛いなと実感。

1時間と決めたはずの休憩ですが、ちょっとだけと思って目を覚ますとすでに2時。関門までは6時間です。

やまないどころか強くなる雨足に私の心は完全に折れてました。

この先雁坂まで約6時間雨に打たれ続ける。誰かが低体温になっても雨をしのげる場所がない。夜中眠気でフラフラしたら滑落の危険も高い。雁坂まで行けたとしてもその後も雨が降り続くだろう。甲武信は?国師は?小川山は?レースじゃなくても行くか?いけるか?いや、普段ならこのリスクはとらない。じゃあなぜ今はそのリスクを犯そうとしてるのか?レースだから?だから危険を犯して行くのか?なんでだ?なにかが起こってしまった時に後悔しないか?絶対するよな?な?な?無理だよな?

そんなマインドでした。

あと、純粋に将監でリタイアするチーム多すぎて、出発したあとに戻ってくるチームもいたのが、さらに心を折れさせる要因でした。

今思い返しても、冷静な判断だったと思う反面、もっとがんばればよかったという思いはぬぐいきれない。けど、頑張ったところでその時迎える限界ってほぼ死に近いよなとも思うので、体力あるうちにやめてよかったなとも思っているけど、でもやっぱり行けたんじゃないかせめて雁坂まで、、、いや、行ったとしても雁坂か大弛峠でやめたんじゃないか?だったら先にやめて正解だろ、など延々と悶々としている。今回の分水嶺はこの雨耐性と雨対策が完全な分岐点だったなと思う。

え、雨強くないですか?これもう無理じゃないですか?ていうか私はこの環境で動いたことがないのでいけるとは絶対に言えないし、低体温になるかもしれないと思うと、行くという判断が出来ないです。という私。ハブツさんは多分行きたいし行けると思ってただろうけど、そんな私に「この環境でも大丈夫だよ」と言い切ることができなかったんだと思う。やまぴーは何考えてたのかよくわかんないけど比較的弱含みなことをもにゃもにゃ言ってたような気がする。

なによりも全員が、この先待ち構える道のりの厳しさを知ってるからこそここ越えられてもあそこがな…などと考えてしまい、ネガティブな思考になってしまった。

キャプテンがいたらどんな判断をしたんだろう、、、キャプテンがいたら行ったかもしれない、、、そんなことを思いながらも、やめたいという私に合わせる形で私たちは将監小屋でのリタイアを決めた。

ここからの下山ルートは1時間半で下山はできる。ただ、そこからはタクシーで塩山まで1万円。夜中はタクシーを呼んでも来ないので、下山したらそのあと林道と車道を歩いて丹波まで行くと奥多摩駅行きのバスが出てるとのこと。

ここにいても横になって寝れないしどうせ雨はやまないし、下山開始しようと歩き始めたが結局バス停まで6時間ほどかかった。今回の分水嶺で1番辛かったのはなにを隠そうこの下山路である。

限界すぎて道端で寝る。横になりたい。。。
やまぴーも寝ながら歩いてフラフラしてました

下山路という思いから補給も疎かになりアスファルトの道の硬さのせいもありもはや足裏が限界突破×サバイバー

まじで痛くて痛くて辛くて辛くて「こんなに辛いなら雁坂行けばよかった」という思いを増幅させました。

奥多摩まで29km 雲取から将監まで歩いた道をロードで戻ってる感じです
途中たらちゃんが応援してくれました。チャーン。

フラフラの状態で丹波まで下り、道の駅の温泉に入り帰路につきました。奥多摩の駅につくとそこには分水嶺をリタイアした人がたくさん。。。やっぱみんなリタイアするよね!辛かったよね!と思いながらSNSを見ると、私の知り合いはAnswer4のサキちゃん以外全員リタイアしてました。そうだよな!とおもいながらもけどこんな環境でも完走してる人いるんだもんな。。。もっと頑張れよ私。。。。と、いまだに悶々としているわけであります。

最後に今回使ってよかったもの、買えばよかったものなど

まず、ザックをウルトラスパイアのEpicにしました。選んだ理由は自社商品には分水嶺のような縦走に適した商品ラインナップがないのと、ウルトラスパイアのMDとして働くキャプテンが自らTJARを走るために作ったザックだからです。色とかぜんぜん好みじゃないし、普段なら絶対買ってない配色だけど、まじで超使いやすかった。チーム全員同じザックで全員絶賛でした。

ぜんぜん重さを感じさせないし、前身がベストパックのようにポケットがいっぱいあって、超使いやすい。ザックを下ろさなくてもいろんなものが取り出せるのでストレスなく補給もできるし、容量も意外と入って必携装備に着替えを入れてもまだ入りそうでした。ほんとに流石キャプテンの一言に尽きます。

買えばよかったものは途中でも書きましたがアウトドライのレインウェア。アウトドライはメンブレンが最表層なので、一般的なレインのように最表層の基布が濡れて水がたまる、ということがないので、保水しないし乾くのが早い。シェイクドライと違って重いザックを背負っても大丈夫な、耐摩耗性もあります。

メンズしかないけどな!

自社製品なのでその機能の高さは当然知ってたけど、既に2.5層の軽量レイン1つ、ストレッチレインを1つ、3Lのレインを1つと合計3つのレインウェアを持っているので、アウトドライ使う機会少なそう。。。と思って手を出してなかったが、まじで買えばよかった。何時間も雨の中で行動することを前提としてる時なんて分水嶺以外にあるんだか謎だけどこんなシチュエーションにはとてもよさそうです。

あとは、ザックカバー代わりに軽量のポンチョを持っていけばよかったかもなぁ?と思っています。そもそもザックカバー忘れてるんですけど、ザックカバーかけたところで前身のベスト部分が濡れてしまうので、だったらポンチョで全部覆っちゃえば、、、と思いましたが、これはやったことないのでいいかどうかわかんないですが。

最後に、今回ヘッドライトの電池を安心できるレベルで持ってなかったのも気持ち折れた要因でしたがハブツさんが電池をテープでまとめてすぐに交換できるようにしてて頭いい!と思いました。けど、やまぴーに「え、みんなやってるでしょ」

と言われました。ちーん。

私みたいに知らない人のために画像はっとくよ!

ティッシュはジップロックに入れてテープ貼って真ん中切って使いました。

これはこあいだ沢の渓泊に連れて行ってくれた井上さんがやってたのを見て真似したのですが、便利です。

バー系は全部パッケージむいてラップで包みなおします。こうすることでポケットに入れた時にパッケージの端っこが当たっていたいことも、パッケージがなかなかむけなくてイライラすることもなく、ゴミもかなり小さくなります。さらに今回わかったのは、ラップに巻かれたバーをみてやまぴーが

「え?自分で作ってきたの!?すごい!」

と言ってきたので、

「そうだよ、食べる?」

と嘘つければ簡単にクライミングバカの独身男子を落とせますね、多分ですけど。

あと、途中にも書いたけどまじでジェルは最初にパッケージ剥いてソフトフラスクかもしくはハンドボトルにジュースで薄めておくとほんとにびっくりするくらいストレスなく摂取できました。

あと、やっぱり持っていくのはガーニーグーですね。

持ち運びにも便利なサイズなのでこのナッツバタークリームを愛用してたのですが、夜中気温が下がったらクリームも固まってしまい、使うのに苦労しました。

塗るのは靴づれと水ぶくれ対策の足裏、そしてザックの擦れ対策に肩、ブラジャーのスレ対策に胸、まではよかったのですが、今回腰裏のスパッツとショーツのウエストゴムのところがザックのあたりと相まってめちゃめちゃ汗でかぶれて痒くなりました。なので、重いザック背負う時は腰裏にもぬるのを忘れずにな、自分!

反省点はこんなところです。

来年はどんな天気かわからないけど、どんな天気でもゴールを目指せる装備と精神力を持ち合わせられるようにしたいです!

くっそー!

がんばるぞ!

オツベル

いまだに歩き出そうとしない~分水嶺Bコース完走記2~

7月13日

午後18時

 

新宿伊勢丹前に私はいた。

 

そこには、

ツヤツヤの髪に白いブラウス膝たけのスカート身にまとい

パンプスをはいた、きらきらしたOLさんが行きかっていて

 

7㎏のザックを背負って

奥多摩駅に向かう前、最後に炭水化物を胃に押し込もうと

丸亀製麺に入ろうとしている私はこう思うのだった

 

「私も10年前はそちらの世界の住人だったはず。。。」

 

私が新卒で入った会社はまさしく伊勢丹だった。

 

女を磨くことが正義だと信じてて

結婚は20代でするものだと信じていて

給料少ないくせいに1本9000円近くするアルビオンのスキンコンディショナーとか買って(今思うとくそ高いな)

その分お昼は社食の180円のざるそばで我慢したりして

毎日パンプスはいてカツカツ歩いて営業まわって

素敵なお店にディナーに連れてってもらえるのが

ステイタスなんだと思っていた時代が私にもあった。

 

なんなら、昔からの友達には

「あの時代のオツベルが一番かわいかった」といわれたりするが

 

まぁそりゃ汗だくで死臭ただよわせて自分のことうんこ呼ばわりしている女より

スカートひらひらさせてシャンプーのにおい漂わせてる女の方が可愛くなかったら世の中間違ってると思うから

全くもって異論1ミリもない。

 

こちら側の世界に来てしまったことを

いいんだか、悪いんだか、と思いつつ

まぁ少なからず、量産型女子でいることをあきらめて

世の中のほとんどの女性が経験しないことをこれから経験しに行くんだから

それはそれでありだな、と思って自分を肯定しないと生きていけないよな。

 

などと思いながら

汗だくになりながらかけうどんを食べ

 

「うどん食って滝汗。うどんてこんなに汗かくスポーツなのか」

 

とかくだらないことをツイートしながら奥多摩駅へと向かうのだった。

 

 

奥多摩駅を夜中0時にスタートし、翌々日の16時までに

長野県だか山梨県だか清里とか野辺山のあたりまで

とにかくひたすら山の中を歩く縦走大会、それが分水嶺トレイルだ。

 

22
とりあえず山と高原地図4枚分

 

 

鴨沢スタートのAコースと奥多摩スタートのBコースがあり、

去年はBコースは120㎞あったようだが、

今年はコースが変更されて97㎞だった。

 

まじで心の底、というより全俺の底から97㎞でよかったと思っている。

 

そんな分水嶺トレイルに出るためにはまず書類審査がある。

今までどんな山行をして、コースタイムのどのくらいで歩き、どういう装備でどんな天気だったのか。

 

分水嶺トレイルを歩ききれる山力があるかどうか、

途中でどんなトラブルがあっても対処できるかどうかをまず書類でふるいにかけるわけだ。

 

正直私の乏しい山行歴だけではたぶん受かっていないような気がするし、

私はソロだったら完走してないと思う。っていうかそもそも出ようとすらしてない。

 

私の出るチームには去年Aコースを女性1位でゴールしているエマちゃんがいたというのが大きいような気がしている

というか絶対にそうだが

書類審査も無事通過することができ、

そのほかの必須条件である山岳保険に加入したり、救命救急講習を消防署で受けたり、

ツェルトの使い方を教えてもらったり必携装備をそろえたりして、

当日を迎えた。

 

当日会社を早退し、銭湯を経由して奥多摩に向かっていたので

現地で着替えようとロングスカート姿で電車に乗りこむと、そこには

 

「おれ!今から!分水嶺出ます!」

という雰囲気しかまとっていない男性がうようよいて

 

そんな男性たちの間をすり抜けたあと、

 

「あいつスカートででんのかよwww」

 

と聞こえるように言われたので、

 

「でるわけねぇだろ」

 

と心の中とツイッターで毒づきながら(小者)

メロンパンをほおばりスタート地点へと降り立つのであった。

 

オツベル

97㎞歩いた先で手にしたのは うんこでぼろ雑巾の自分の姿だった ~分水嶺Bコース完走記~

こんにちわ。

最近はサプリババアとして日々大量のサプリを飲む毎日を過ごしているオツベルです。

私は先日、分水嶺トレイルという縦走大会に参加してきました。

 

まぁ、それがいいかとか出たいかとかは置いといて

世の中には110㎞のレースとか160㎞のレースとかあるじゃないですか。

制限時間30時間とか40時間なわけじゃないですか。

 

このレース(というか縦走大会)は

97㎞で獲得標高は9700mくらいで

制限時間64時間なんですよ。

 

またまた。

 

またまたまた。

 

またまたまたまたまた。

 

でっかいヨーロッパのアルプスじゃあるまいし、

97㎞で9700mも獲得標高あるわけないだろwwww

 

ていうか97㎞くらいで64時間もかかんねぇだろwwww

 

って思ってた。

 

思ってたよ。

 

それに女子3人で出ようっていうのだから

 

★体力不足でリタイアする

★制限時間に間に合わない

★チームを修復不可能なくらいクラッシュさせる

 

この辺りの想像しうる問題は

 

一番ポンコツで

レースの数日前まで大してコースの把握すらしてなくて

体力ないくせに文句だけは言う

私がすべて原因になるだろうなって私だって思ってたよ。

むしろ私が一番思ってたさ。

 

いやぁ、もうね、想像を絶してた。

 

行く前はこれは人生最大の冒険だ!アドベンチャーだ!よし!オラやるぞ!

完走だ!完走だ!完走だ!完走だ!完走だ!オイィイイイイイイイイ

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くらいに思ってたけど、

 

行ってみたらもうほんとに

そんな華々しいものなんて何にもなくて

ただただぼろ雑巾、またの名をうんこになっただけだった。

 

だめだよ。うんこになっちゃ。

 

だめだよ。身体の周りを虫が旋回しちゃ。

 

毎日オシャレしてお化粧して出かけよう。

汗のにおいじゃなくて香水のにおいを振りまこう。

 

だってわたしたち女の子だもの(妙齢)

 

そんな分水嶺Bコースの話を少しづつしようと思ったので

とりあえず書くよ宣言だけしにきました。

かなり遅筆ですがお付き合いください。

 

オツベル